Présentation- カレ・ドーリヤックについて

カレ・ドーリヤックは、フランス・オーヴェルニュ地方でつくられる四角いブルーチーズです。その名の通り「Carré（四角）」の形をしており、切り分けると中には青カビの筋が美しく広がっています。口あたりはクリーミーでなめらか、若いうちはマイルドで食べやすく、熟成が進むと力強い風味とコクが引き立ちます。青カビ特有の刺激は穏やかで、ミルクの豊かな甘みとバターのようなまろやかさが感じられるのも特徴です。

格別な味わいを最大限に引き立てるため、カレ・ドーリヤックは冷蔵庫の野菜室で保存し、食べる1～2時間前に取り出していただくのをオススメしています。その際、包装を解かずそのまま保存するのがベストです。バゲットやライ麦パン、また軽く焼いたジンジャーブレッドにもピッタリです。

Histoire- カレ・ドーリヤックの歴史

Carre d'Aurillac は、フランス中部オーヴェルニュ地方カンタル県サン＝フルールの地で生まれた四角い青カビチーズです。製造を担うのは、地域に根ざしたチーズ工場「ソシエテ・フロマジェール・ド・サン＝フルール」。

また、この地は古くからブルーチーズづくりが盛んな土地柄で、ロックフォールやブルー・ドーヴェルニュといった名品に連なる文化を背景に持ちます。その中で誕生したカレ・ドーリヤックは、従来の円形ではなく四角い形を採用することで独自性を打ち出し、より扱いやすく、日常の食卓に取り入れやすいブルーチーズとして定着しました。

1980年代の誕生以来、その親しみやすい味わいと安定した品質は高く評価され、流通範囲はフランス国内からヨーロッパ、そして世界へと広がっていきます。2000年代以降は生産量も右肩上がりに増え、いまでは年間数百トン規模で出荷される人気チーズへと成長しました。

今日、カレ・ドーリヤックはAOPのような原産地呼称を持たないものの、オーヴェルニュのブルーチーズ文化を現代に伝える存在として、多くの人々に愛されています。

Région-カレ・ドーリヤックの生産地域

フランス中部に位置するカンタル地方は、火山地帯の大自然に囲まれた土地で、寒暖差の大きな気候と肥沃な牧草地が、独自の食文化を育んできました。特に酪農が盛んで、山岳地帯の豊かな牧草を食べて育った牛のミルクからは、力強く風味豊かなチーズが生まれます。代表的なのがフランス最古のチーズのひとつとされる「カンタル・チーズ」で、若いタイプはミルキーで爽やか、熟成が進むとナッツや干し草を思わせる深い香りとコクが楽しめます。ほかにも「サン＝ネクテール」や「ブルー・ドーヴェルニュ」など、この地方ならではの名品が揃い、まさにチーズの宝庫といえる地域です。

また、カンタルの食卓を語る上で欠かせないのが、じゃがいもを使った郷土料理です。中でも「トリュファード」は、薄切りにしたじゃがいもを炒め、溶けるタイプのチーズ（トム・フレッシュ）を絡めて仕上げる素朴な一皿で、地元の家庭や山小屋で親しまれています。さらに、豚肉やソーセージを用いた料理も多く、保存性の高いシャルキュトリは冬の厳しい環境を乗り越える知恵として根づいてきました。

Accord Vin et Fromage - 合わせるのにオススメなワイン

カレ ドーリヤックと相性の良いワインには、モンバジヤックやピノー・デ・シャラントなどのソフトな白ワインが挙げられます。これらのワインは、爽やかなミネラル感とフルーティな味わいが特徴で、カレ ドーリヤックの風味とうまく調和します。また、フルーティーな赤ワインとの組み合わせもぴったりです。食材としては、ドライフルーツ（ブドウ、ナッツ、ヘーゼルナッツなど）やフレッシュフルーツ（イチジク、ラズベリー、洋ナシ、ブドウ）と組み合わせると、いっそう豊かな食体験を楽しむことができます。

エルワンおすすめのチーズペアリング

南仏ラングドックの白ワイン。ソーヴィニョン・ブラン、グルナッシュ・ブラン使用、フルーティーさとハーブのニュアンス。

	L'Oiseau de Passage / Saint Amour En Chatenay 2024   フランス・ボジョレー地方のガメイ。ミディアムボディでチャーミング、赤い果実の香りとスパイス感。青カビの塩味と力強さに、ガメイのフレッシュさがアクセントを加え、意外性のあるペアリングに。
	Fratelli Collavo / Prosecco Extra Dry Settolo  イタリア・ヴェネト州のスパークリング。フルーティーでややソフトな甘さが魅力。青カビの塩気と力強さを、果実味あふれる泡が包み込み、バランスを整えます。