Le vigneron - 「ビュル・ド・ヴィ」の生産者情報
「ビュル・ド・ヴィ」を手がけるのは、アルザス地方ミッテルベルグハイム村に拠点を置く ドメーヌ・アンドレ・ロレール。現オーナーのアンドレは代々続く8代目の醸造家で、1960年代からすでに自然と共生する栽培を実践してきました。1980年代には化学殺虫剤の使用を完全にやめ、2001年には有機栽培(AB認証)を正式に取得。さらに2016年からはビオディナミ農法を導入し、Demeter認証も得ています。
現在はアンドレと息子ルードヴィックが中心となり、土壌や気候の個性をそのままワインに映し出す醸造を追求。伝統を継承しながらも、よりピュアで体にやさしい味わいを目指し、自然派ワインの理想を具現化しています。
Description - 「ビュル・ド・ヴィ」の味わい、ブドウについて
「ビュル・ド・ヴィ」は、ミュスカ、オーセロワ、シルヴァネールを主体とした白の微発泡ワイン(ペティヤン・ナチュレル)。2023年は冷涼かつバランスの良い年で、完熟したブドウが収穫され、繊細にブレンドされました。
外観はにごりを帯びたレモンイエロー。立ちのぼるのは、白い花やキンモクセイ、ジャスミンに加え、白桃やりんご、レモンピール、蜂蜜のアロマ。口に含むと優しい発泡が舌を包み込み、酵母のまろやかな風味とともに、白桃やりんごの果実味が広がります。ライムやハーブのニュアンスも加わり、すっきりとした酸と柔らかい泡立ちが心地よい余韻を生み出します。
自然酵母の風味とフレッシュな果実味のバランスが秀逸で、ナチュラルワインらしい生命感を湛えながらも、洗練されたフィニッシュを備えた一本です。
Région - 「ビュル・ド・ヴィ」の生産地について
アルザス地方の食文化は、フランスとドイツの文化が交差する地理的背景をそのまま映し出した、豊かで独自性のあるものです。
代表的なのは「シュークルート(Choucroute)」と呼ばれるキャベツの塩漬けをベースにした料理で、ソーセージやハム、ベーコンなどの肉類と合わせて煮込む豪快な一皿です。酸味のあるキャベツが肉の旨みを引き立て、ボリューム満点ながらも食べ飽きないのが特徴です。これに合わせるのは、地元産のリースリングやシルヴァネールといった白ワインで、脂の強さを酸が心地よく和らげてくれます。
また、「タルト・フランベ(Tarte flambée/フラムクーシュとも呼ばれる)」は、薄く伸ばした生地にフロマージュ・ブランやクリームを塗り、玉ねぎやベーコンをのせて高温で焼き上げる郷土料理。ピザに似ていますが、より軽やかで香ばしく、ビールや白ワインと楽しむカジュアルな一品として親しまれています。
アルザスはまた、フランス随一のビール文化を持つ地域でもあります。ドイツの伝統に近いラガータイプのビールが主流で、食卓ではワインと同じくらい日常的に消費されています。ソーセージやプレッツェル、またチーズを肴に気軽に飲むスタイルは、フランスの他地域とは一線を画す特徴です。
Dégustation avec Fromage - チーズとのペアリング
「ビュル・ド・ヴィ」に寄り添うのは、クリーミーでやわらかなタイプのチーズ。ブリーやカマンベールと合わせれば、フレッシュな酸味と繊細な泡立ちが濃厚さを軽やかに包み込みます。
また、フレッシュなシェーブルチーズとの相性も抜群。爽やかな果実味がシェーブル特有のミルキーさを引き立て、後味に清涼感を与えます。
さらに、蜂蜜を軽く垂らしたチーズと組み合わせると、ワインの花の香りや果実味と溶け合い、まるでデザートのような贅沢な調和を楽しめます。アペロから食後まで、幅広いシーンで活躍する万能なペアリングワインです。
エルワンおすすめのチーズペアリング
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ヴァシュラウス・ダルジェンタル(Vacherousse d’Argental) 豊かなクリーム感を、繊細な泡と爽やかな酸が軽やかにリセット。
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バターのようなコクに、柑橘のニュアンスが爽快なコントラスト。
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ミルキーさとほのかな塩味に、柑橘系の酸とミネラル感が心地よく寄り添う。 |


