6か月の熟成が育てる、力強い旨味
塩味とスパイスの余韻を楽しむ、ピエモンテの伝統チーズ
淡い麦わら色の生地に凝縮されたミルクの旨味と、熟成による香ばしさ。ブラ・ドゥーロは、イタリア・ピエモンテ州で作られるハードチーズです。
はじめは牛乳のやさしい甘み、続いて心地よい塩味とわずかな辛味。噛みしめるほど味わいが深まり、長く力強い余韻へと続きます。そのまま味わうほか、すりおろしたり、料理に溶かしたりと、食卓で幅広く楽しめるチーズです。
Présentation- ブラ・ドゥーロDOPについて
ブラ・ドゥーロ(Bra Duro DOP)は、クーネオ県産の牛乳のみを使用し、最低180日間熟成させています。
このチーズには、熟成期間の異なる「テネーロ」と「ドゥーロ」の2種類があります。テネーロが最低45日熟成で、やわらかく穏やかな味わいなのに対し、ドゥーロは最低6か月熟成。水分がゆっくりと抜けることで生地が引き締まり、ミルクの旨味や塩味、香りが凝縮していきます。
生地の色は淡い麦わら色から黄土色で、小さなチーズアイがところどころに見られます。口に含むと、熟成した牛乳の豊かなコクと香ばしさが広がり、後半にはほどよい塩味とスパイシーな刺激が感じられます。
角切りにしてサラミや生ハムと合わせるほか、薄くスライスしてサンドイッチに。すりおろしてパスタやリゾット、ラザニアに加えたり、トーストや野菜料理に溶かしたりすると、凝縮した旨味を存分に楽しめます。
Histoire- ブラ・ドゥーロの歴史
ブラという名前は、ピエモンテ州クーネオ県にある小さな町「ブラ」に由来します。かつてブラは、周辺のアルプス山麓やクーネオの谷々で作られたチーズが集まる、重要な取引の町でした。
山間部から運ばれてきたチーズは、ブラの商人たちによって熟成され、ピエモンテ各地や隣接するリグーリア地方へと販売されていきました。リグーリアでは、羊乳チーズの代わりにペスト・ジェノヴェーゼへ加えるなど、料理にも活用されていたと伝えられています。
保存しながら遠くまで運べるよう、長く熟成させて作られたのがドゥーロタイプです。時間とともに生地は硬さを増し、穏やかなミルクの風味から、塩味と辛味を備えた力強い味わいへと変化していきます。
ブラは1982年にイタリア国内で原産地名称を認められ、1996年にはEUのDOP(原産地名称保護)に登録されました。現在はテネーロとドゥーロの両方が、地域の製法と食文化を伝えるチーズとして守られています。
ブラの町では、世界各地の生産者やチーズ愛好家が集う大規模なチーズイベントも開催されています。チーズを作る土地であると同時に、チーズ文化を世界へ発信する町としても知られています。
Région- ブラ・ドゥーロDOPの生産地域
ブラ・ドゥーロの生産地であるクーネオ県は、イタリア北西部・ピエモンテ州の南西部に位置しています。西から南にかけてアルプス山脈に囲まれ、山岳地帯から丘陵、平野へと多様な風景が広がる地域です。
チーズの名となったブラの町は、ワイン産地として名高いランゲの丘陵地帯と、ロエロ、クーネオ平野の境にあります。周囲には牧草地や農地、ブドウ畑が広がり、チーズとワインの文化がともに育まれてきました。
山の放牧地で生まれるミルクと、平野部の町で発展した交易や熟成の技術。その両方が結びつき、ブラというチーズの個性が形づくられました。DOPの規定では牛乳を主体とし、伝統的に少量の羊乳や山羊乳を加えることも認められていますが、今回の商品はクーネオ県産の無殺菌牛乳のみで作られています。
熟成を担うルイジ・グッファンティは、1876年創業のチーズ熟成専門会社です。イタリア各地から選び抜いたチーズを、それぞれの個性に合った環境で熟成させ、ミルクや土地が持つ風味を引き出しています。
Accord Vin et Fromage - ブラ・ドゥーロに合わせるのにオススメなワイン
ブラ・ドゥーロの凝縮したミルクの旨味と力強い塩味には、果実味と酸をしっかり備えた赤ワインがよく合います。ワインの果実味がチーズの塩味をまろやかに包み、タンニンが熟成による深いコクと調和します。
なかでも、同じピエモンテ州で作られるバルベーラがおすすめです。チェリーやプラムを思わせるみずみずしい果実味と豊かな酸が、チーズの濃厚な旨味を受け止めながら、後口を軽やかに整えてくれます。
もう少し穏やかな組み合わせなら、ドルチェットを。やわらかなタンニンと黒い果実の風味が、ブラ・ドゥーロの香ばしさやわずかな辛味に自然に寄り添います。長く熟成したものには、ネッビオーロを使った骨格のある赤ワインも好相性です。
白ワインを選ぶなら、ピエモンテのロエロ・アルネイスなど、果実味とミネラル感を持つ辛口タイプを。ワインの爽やかな酸がチーズの塩味と脂肪分を整え、ミルクの甘みを引き立てます。サラミやナッツ、フェンネルのサラダを添えれば、ピエモンテらしいアペリティフを楽しめます。



