Présentation- アジアーゴについて
アジアーゴは、イタリア北部の山岳地帯で生まれた牛乳製のチーズです。熟成期間の短いアジアーゴは、柔らかく弾力のある食感と、ミルクの甘みを思わせるやさしい風味が特徴で、サンドイッチやサラダに添えると軽やかな味わいを引き立てます。
Histoire- アジアーゴの歴史
アジアーゴは、イタリア北部のヴェネト州とトレンティーノ=アルト・アディジェ州に広がるアジアーゴ高原で生まれたチーズです。この地域では紀元前から牧畜が営まれており、中世には羊乳を使ったチーズが盛んに作られていました。やがて14世紀以降になると、牛の飼育が主流となり、アジアーゴは牛乳チーズとして発展していきます。豊かな牧草地と高原の気候はチーズ作りに理想的で、この土地ならではの風味を育んできました。
長い歴史の中で、アジアーゴは地元の人々の生活を支える保存食であり、同時に交易品としても重要な役割を果たしました。若いチーズは日常の糧として食卓に上り、熟成させたものは保存性が高く、山を越えて市場へと運ばれて広く知られるようになりました。19世紀から20世紀にかけてはチーズ製造の技術が体系化され、品質の均一化が進み、アジアーゴは国内外で広く流通するようになります。
その伝統と品質が評価され、1996年にはDOP(原産地名称保護)に認定されました。現在でもアジアーゴは、その生産地域と製法が厳しく守られ、古代から続く牧畜文化と職人の技を今に伝えています。
Région-アジアーゴの生産地域
イタリア北東部に位置するヴェネト州は、地理的にも文化的にも多様性に富んだ食文化を育んできました。アドリア海に面し、ドロミーティ山脈を背にしたこの地域は、海の幸と山の幸が交差する豊かな食材の宝庫です。州都ヴェネツィアは中世からルネサンスにかけて交易の拠点として栄え、東方からもたらされたスパイスや食材の影響を受けた独自の料理が発展しました。
ヴェネトの食卓を代表するのは米料理で、この地はイタリア有数の米どころでもあります。特にクリーミーに仕上げる「リゾット・アル・ネロ・ディ・セッピア(イカ墨リゾット)」や、野菜や肉を合わせた様々なリゾットは、家庭からレストランまで広く親しまれています。また、コーンミールを煮てつくる「ポレンタ」も日常的な主食で、魚介や肉の煮込み、チーズとともに食べられ、地域ごとのバリエーションも豊富です。
海沿いでは、イワシやイカ、タラを使った料理が欠かせません。代表的なのが「バッカラ・アッラ・ヴィチェンティーナ」で、干しダラをオリーブオイルや牛乳、アンチョビとともにじっくり煮込んだ郷土料理です。一方、山岳地帯では狩猟文化が根づき、鹿肉や野鳥の料理が伝統的に受け継がれてきました。
チーズやワインもヴェネトの誇りです。アジアーゴやモンタージオといったチーズが生まれた土地であり、ワインではソアーヴェやヴァルポリチェッラ、プロセッコが世界的に知られています。これらは日常の食事から祝祭の席まで幅広く楽しまれ、土地の風土と食文化を色濃く映し出しています。
Accord Vin et Fromage - 合わせるのにオススメなワイン
アジアーゴ DOPの繊細な味わいは、ワインとのペアリングにおいてもその真価を発揮します。特にフルーティーで爽やかな酸味を持つ白ワイン、例えばソアーヴェやピノ・グリージョがおすすめです。
また、軽やかな赤ワイン、ヴァルポリチェッラやバルベーラとの相性も抜群です。熟成されたタイプのアジアーゴ DOPであれば、よりふくよかな味わいのシャルドネや様々な赤ワインとも合わせることができ、食事の様々なシーンで楽しむことが可能です。食卓に豊かな味わいと楽しみをもたらす、アジアゴ DOPとワインの組み合わせをぜひお試しください。
エルワンおすすめのチーズペアリング
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Mas des Quernes / Le Perdreau de l'Annee Blanc 2023 南仏ラングドックの白ワイン。ソーヴィニョン・ブラン、グルナッシュ・ブラン使用、フルーティーさとハーブのニュアンス。やわらかい乳の甘みを白ワインのフレッシュさが引き締め、すっきりとしたマリアージュ。
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L'Oiseau de Passage / Saint Amour En Chatenay 2024 フランス・ボジョレー地方のガメイ。ミディアムボディでチャーミング、赤い果実の香りとスパイス感。優しいミルクとナッツの風味に、繊細な赤ワインの果実味が寄り添い、しっとり上品な組み合わせ。 |


