Le vigneron - キュヴェ・デ・クロゾー　レ・ピュイの生産者情報

「キュヴェ・デ・クロゾー レ・ピュイ」の生産者であるティエリー・ランドリは、フランス・ロワール地方のシノンに拠点を構える家族経営の造り手です。1995年に家業を継承し、伝統を守りながらも、より自然なアプローチへと大きく舵を切りました。2009年には有機農法（ビオロジック）を導入し、2012年にはECOCERTの認証を取得。化学肥料や農薬に頼らず、土地本来の生命力を大切にする栽培を実践しています。

彼のワイン造りの哲学は、日常に寄り添いながらもテロワールを真摯に表現すること。使用するのは自社畑で育てたカベルネ・フランで、天然酵母での自然発酵、清澄もフィルターもかけずに瓶詰めするというミニマルな手法が貫かれています。その結果、得られるのは柔らかなタンニンと、品のある果実味が調和した、しなやかでピュアな味わいです。

特筆すべきは彼の畑の立地。シノンには砂質の平地が多い中、ランドリ家は運よく粘土石灰質（白亜質）の斜面地を所有しており、そこからは特に洗練された香りやしっとりとした果実味、艶やかなタンニンが引き出されます。この恵まれた土壌こそが、「レ・ピュイ」の奥行きある味わいの礎となっています。ティエリー・ランドリは、シノンの伝統と革新を体現する存在として、ロワールのナチュラルワインの世界で注目を集め続けています。

Description - キュヴェ・デ・クロゾー　レ・ピュイの特徴

キュヴェ・デ・クロゾー　レ・ピュイ（Chinon Cuvée des Closeaux Les Puys）は、カベルネ・フラン100％から造られる赤ワインです。粘土石灰質土壌の斜面畑で育った平均樹齢30年のブドウを使用し、手摘みで収穫。コンクリートタンクで9ヶ月間熟成され、フレッシュな赤い果実の香りと、しなやかなタンニン、ミネラル感が調和した味わいが特徴です。樽は使用せず、果実本来のピュアな風味を大切にしています。

Région - キュヴェ・デ・クロゾー　レ・ピュイの生産地情報

ロワール地方の中心に位置するトゥーレーヌ地区は、「フランスの庭園」とも称される美しい自然に囲まれた土地であり、その豊かな環境に育まれた食文化もまた、繊細で気品ある特徴を持っています。ロワール川とその支流によって潤された肥沃な大地では、古くから果樹栽培や野菜づくりが盛んで、季節ごとにさまざまな食材が食卓を彩ります。

この地域では、フランス料理の中でも比較的素朴でやさしい味わいの料理が多く、素材の良さを活かした調理法が基本です。たとえば、トゥーレーヌ名産のホワイトアスパラガスやシャンピニオン（マッシュルーム）は、バターやクリームで軽く調理され、春の訪れを告げる食材として親しまれています。

また、ロワール川は淡水魚の宝庫でもあり、サンドル（スズキの一種）やブロシェ（パイク）、アンギーユ（ウナギ）などが地元料理に登場します。特に「マトロート（matelote）」と呼ばれる、川魚をワインで煮込んだ料理は、ロワールワインとの相性も抜群です。

さらに、トゥーレーヌは熟成タイプからフレッシュなタイプまで、個性豊かなシェーブルチーズの産地としても知られています。サント・モール・ド・トゥーレーヌはその代表格で、藁を芯に通した円筒形の姿が特徴的。ワインとともに楽しむ、食後のひとときには欠かせない存在です。

そしてもちろん、トゥーレーヌはロワールワインの重要な生産地のひとつでもあります。シュナン・ブランから生まれる白ワインや、カベルネ・フラン主体の赤ワインは、軽やかで上品な酸をもち、地元の料理と自然に寄り添う存在です。

Dégustation avec Fromage - チーズとのペアリング

シノンは、特にシェーヴルチーズ、白カビチーズ、そしてハードタイプの熟成チーズとのペアリングがおすすめです。

フレッシュな酸味とミネラル感をもつシェーブルチーズは、ワインの果実味と美しく調和し、味わいに清涼感と奥行きを与えてくれます。

カマンベールやブリーといった白カビチーズは、そのなめらかでクリーミーな食感が、シノンのしなやかなタンニンと溶け合い、口当たりに上品な一体感をもたらします。

さらに、コンテやグリュイエールのような熟成されたハードチーズは、凝縮された旨味がワインの持つ深みと響き合い、豊かな味覚の広がりを演出します。

エルワンおすすめのチーズペアリング

	ポンタリエ 熟成感のあるコクを、ワインのベリー感とスパイシーさが引き立ててくれます。
	グッツホーファー・チリ ピリ辛ゴーダに、赤ワインのやさしい渋みと果実感が絶妙なバランス！
	パヴェ・ド・ジャディス やさしい山羊乳の旨味を、赤ワインの果実味が包み込み、ふわっと香りが広がります。