Présentation- 「ジョーネット・ジュラシック」について
ジョーネット・ジュラシック(Jaunette Jurassic)は、セミハードタイプのチーズです。フランス東部、ジュラ山脈の麓に広がるドゥー県で、職人によって一つ一つ丁寧に作られています。
熟成期間は約3か月。時間をかけてゆっくりと熟成させることで、なめらかな口当たりと芳醇な香りが生まれます。特徴的なのは「ヴァン・ジョーヌ」で洗った表皮。ヴァン・ジョーヌとは、ジュラ地方特有の白ブドウ「サヴァニャン」から造られる、長期熟成によって生まれる黄金色のワインで、クルミやスパイスを思わせる個性的な香りを持っています。その風味が表皮に移り、チーズ全体の味わいを一層奥深くしています。
味わいは、ラクレットのように溶かして食べてもコクが際立ち、より力強い風味を楽しめます。そのままスライスすれば、トムのように香りと旨みをじっくり堪能できます。熟成が進むごとに風味は深みを増し、ワインやパンとの相性も抜群です。
Histoire- 「ジョーネット・ジュラシック」の歴史
ジョーネット・ジュラシックは、フランス東部のフランシュ=コンテ地方・ドゥー県で受け継がれてきたチーズづくりの伝統から生まれた逸品です。ジュラ山脈の豊かな自然と酪農文化、そしてこの地を象徴する白ワイン「ヴァン・ジョーヌ」が出会い、独自の製法が築かれてきました。
ヴァン・ジョーヌは、サヴァニャン種のブドウを長期熟成させて生まれる黄金色のワインで、ナッツやスパイスを思わせる芳香を持ちます。この個性的な風味をチーズに取り入れることで、ほかにはない複雑で奥深い味わいが育まれました。
Région-「ジョーネット・ジュラシック」の生産地域
フランシュ=コンテ地方・ドゥー県は、古くからチーズづくりの中心地として知られてきました。なかでも世界的に有名なコンテやモン・ドール、モルビエといったチーズは、この地方を代表する味覚遺産です。とりわけ冬のモン・ドールは、スプーンですくえるほど柔らかいチーズをオーブンで温め、じゃがいもやパンに合わせて楽しむ食べ方が愛されており、寒さの厳しい季節に欠かせない料理となっています。
また、この地方を象徴するのが「ヴァン・ジョーヌ」に代表される独特のワイン文化です。サヴァニャン種のブドウを用い、6年以上の長期熟成を経て生まれるこの黄金色のワインは、クルミやカレーを思わせる香りを持ち、濃厚なチーズや郷土料理と調和します。ヴァン・ジョーヌを使った「コック・オ・ヴァン・ジョーヌ(鶏肉の煮込み)」は特に有名で、地域の人々にとって祝いの席を彩る伝統料理でもあります。
さらに、フランシュ=コンテの食卓には山岳地帯ならではの保存食の文化も息づいています。燻製ソーセージやベーコン、塩漬け肉は冬の長い暮らしを支えてきた食材であり、キャベツやじゃがいもと煮込む家庭料理に受け継がれています。チーズやワイン、燻製肉を組み合わせた素朴で力強い料理は、この地の厳しい自然と豊かな恵みを同時に映し出しているのです。
Accord Vin et Fromage - 合わせるのにオススメなワイン
ジョーネット・ジュラシックには、まずは同じジュラ地方のワインとの組み合わせが理想的です。特に、ヴァン・ジョーヌそのものや、サヴァニャンを主体とした白ワインと合わせると、チーズの持つ複雑さがさらに際立ちます。軽やかな赤ワインやシードルを合わせれば、よりカジュアルに楽しめるでしょう。
料理との相性も幅広く、オーブンで溶かしてじゃがいもやパンにのせれば、ラクレットのように濃厚な一皿になります。また、燻製したソーセージやベーコンと合わせると、チーズのコクと肉の旨みが調和し、山岳地帯らしい力強い味わいを堪能できます。そのままスライスして味わう場合は、くるみやドライフルーツを添えると、芳醇な香りが一層引き立ちます。
