Présentation- 「ジルエット」について
ジルエットは、ボジョレーの造り手ル・シャン・デ・ゼイルが手がける赤ワインです。品種はガメイ100%。ボジョレー南部、ビュリーの花崗岩砂質土壌で育つブドウから造られています。
ブドウはビオディナミ栽培を行う生産者から供給を受け、5日間のマセラシオンの後、ステンレスタンクでさらに14日間マセラシオン。数回の手作業によるパンチダウンを行いながら、果実のピュアさを大切にしたきれいな抽出が行われています。生産本数はわずか800〜1,000本ほど。日本への入荷数も限られた、希少な一本です。
香りには、ガメイらしい赤い果実の明るさに、花やスパイス、土壌由来のミネラル感を思わせるニュアンス。口に含むと、みずみずしい果実味と軽やかな酸が広がり、ナチュラルワインらしい生き生きとした表情を感じられます。重たすぎず、けれど余韻にはしっかりとした旨みが残る、親しみやすさと奥行きをあわせ持つ赤ワインです。
キュヴェ名の「Girouette」は、フランス語で「風見鶏」を意味する言葉。ここでは、“風の向くままに進む”というニュアンスが込められています。ボジョレーに拠点を定める前、ローヌ渓谷、ガール、カオールなどさまざまな土地を巡ってきた造り手の歩みを映した名前です。
Histoire- 「ジルエット」の歴史
このワインを手がけるル・シャン・デ・ゼイルは、マチルドとヴィクトル夫妻による小さなドメーヌです。ふたりのワイン造りの原点は、オーストラリアのナチュラルワイン生産者、モメント・モリでの経験にあります。そこで数ヶ月間働いたことをきっかけに、ふたりは自分たちの人生と夢を見つめ直し、フランスへ戻ってワイン生産者になることを決意しました。
その後、フランス各地のワイン産地を巡り、ローヌ・ヴァレーやカオールの生産者のもとで経験を重ねます。2021年に最初のボトルを生産し、2022年にはボジョレーに拠点を置くことを決めました。現在は、自分たちの畑を探しながら、地元の信頼できる農家から高品質なオーガニックブドウを選び、ワイン造りを行っています。
ル・シャン・デ・ゼイルという名前は、直訳すると「翼の歌」。これは、ネイティブアメリカンに伝わるハチドリの伝説に由来しています。大きな森林火災を前に、ほかの動物たちが立ち尽くす中、小さなハチドリだけがくちばしで水を運び続けたという物語です。小さな存在であっても、自分にできることをする。その姿勢に共鳴し、彼らは地球とそこに生きるものすべてを尊重するワイン造りを目指しています。
畑では化学的な介入を行わず、自然や生きものと調和しながらブドウを育てています。醸造においても、必要な場合にごく少量の亜硫酸塩を加えるのみで、醸造学的な添加物は使用しません。ワインは無清澄・無濾過で瓶詰めされ、天然コルクとワックスキャップで仕上げられています。ラベルに記された「Vins libres et vivants」は、「自由で生き生きとしたワイン」という意味。その言葉の通り、果実も造り手の思想も、のびやかに表現された一本です。
Région- 「ジルエット」の生産地域
ジルエットのブドウは、ボジョレー南部のビュリーで育つガメイです。ボジョレーは、ブルゴーニュ地方の南に位置し、ガメイの産地として世界的に知られています。なかでも南部は、果実味の明るさや親しみやすさを持ちながら、土壌や造り手の個性によってさまざまな表情を見せるエリアです。
畑の土壌は、花崗岩由来の砂質土壌。ガメイの赤い果実のチャーミングさに、軽やかなミネラル感やすっと抜けるような余韻を与えます。抽出は強くしすぎず、手作業で丁寧に行われているため、果実の透明感と、ナチュラルワインらしいやわらかな飲み心地が生かされています。
ル・シャン・デ・ゼイルは、まだ若い造り手でありながら、ボジョレーという土地に深く根を下ろそうとしています。風の向くままに旅を重ねてきたふたりがたどり着いた場所で生まれたジルエットは、自由で軽やかな精神と、ボジョレーのガメイの魅力が重なったワインです。
Accord Vin et Fromage - 合わせるのにオススメなチーズ
ジルエットには、ガメイらしい赤い果実味と軽やかな酸を生かして、ミルクの甘みややさしい熟成感、ほどよい塩味を持つチーズを合わせるのがおすすめです。重厚な赤ワインのように力強く合わせるというより、チーズのコクを果実味で包み込み、後味を軽やかに整えるようなペアリングがよく合います。
たとえば、ブリー・ビオのような白カビチーズは、ジルエットのやわらかな果実味と好相性です。ブリーのクリーミーな口どけやミルクの甘みに、ガメイの赤いベリーを思わせる香りが重なり、まろやかで親しみやすい組み合わせに。白カビのほのかなきのこ香にも、ワインのナチュラルな土っぽさやミネラル感が寄り添います。
ラクレット・ビオのような、ミルクのコクと穏やかな塩味を持つチーズもおすすめです。そのまま薄く切って合わせると、ラクレットのやさしい旨みをジルエットの軽やかな酸がすっきりと引き締めてくれます。温めてじゃがいもや野菜にかける場合も、ワインの赤い果実味が料理全体に明るさを添え、重たくなりすぎず楽しめます。
ジルエットは渋みが強すぎない赤ワインなので、非常に濃厚なブルーチーズや、熟成の強いハードチーズよりも、ミルキーで食べやすいチーズ、または軽いスパイス感のあるチーズと合わせると、その自由で生き生きとした魅力がより引き立ちます。


