Le vigneron - 「テロワール・ノワール」の生産者情報
ドニ・フレジエは、1823年創業の家族経営によるRM(生産者元詰)シャンパーニュの造り手です。エペルネの南約5km、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ最南東部に位置するモンテロン村を拠点に、代々ぶどう栽培を続けてきました。
畑はヴァレ・ド・ラ・マルヌとコート・デ・ブランの境界付近に広がり、オーヴィエ、モンテロン、シャヴォ・クルクール、マンシーに加え、グローヴやクラマンといった両地区にまたがる区画を所有しています。この立地が、果実味とミネラル感のバランスに優れたスタイルを生み出しています。
1935年にはいち早くRMとして自社瓶詰めを開始。2003年に7代目セバスチャン・フレジエが継承して以降、品質は大きく向上しました。2016年には環境に配慮したHVEレベル3の認証を取得し、2020年からはビオロジック栽培を本格的に導入しています。
醸造面でも設備の刷新を進め、最新のプレス機やステンレスタンクを用いながら、テロワールの表現を追求。伝統を礎にしつつ、現代的な精度を備えたシャンパーニュ造りを行う、生産者として高く評価されています。
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Description - 「テロワール・ノワール」の味わい、ブドウについて
「テロワール・ノワール」は、モンテロン、マンシー、シャヴォ・クルクールという個性ある自社区画のブドウから造られる、ブラン・ド・ノワールです。平均樹齢40年の古樹から収穫された、ピノ系品種(ピノ・ムニエを主体にピノ・ノワールをブレンド)を使用し、それぞれのクリュが持つ特徴をひとつのキュヴェに映し出しています。
醸造では、全体の90%をステンレスタンク、10%を小樽で発酵させ、その後7か月間熟成。さらに3年以上の瓶内熟成を経ることで、きめ細かな泡立ちと奥行きのある表情が引き出されています。ドサージュはMCRを用いて6.5g/Lに抑え、辛口ながらも調和の取れた仕上がりです。生産本数は限られた数量にとどまります。
外観は、黄金色のハイライトを帯びた深みのあるイエローカラー。泡立ちは生き生きとして持続性があり、グラスの中で美しく立ち上がります。香りには、カシスやラズベリーなどの赤い果実の力強いノートが感じられ、時間とともにユーカリやスパイスを思わせる、より繊細でフレッシュなニュアンスが現れます。
口に含むと、ジューシーなアタックとともに黄色い果実のふくらみが広がり、爽やかなキレが全体を引き締めます。フィニッシュにはブリオッシュのような香ばしさが残り、力強さと繊細さを併せ持った余韻へとつながります。アペリティフとしてはもちろん、白身肉や軽やかな料理と合わせても楽しめる、完成度の高いブラン・ド・ノワールです。
Région - 「テロワール・ノワール」の生産地について
シャンパーニュ地方の食文化は、冷涼な気候と石灰質土壌に根ざした、繊細さと実直さが共存する料理が特徴です。豪奢な宮廷料理というよりも、日々の暮らしの中で育まれてきた滋味深い料理が多く、そこにシャンパンが自然に寄り添ってきました。
この地域の食卓では、豚肉や家禽、川魚といった身近な食材がよく使われます。豚肉のリエットやジャンボン・ド・ランスのようなシャルキュトリーは、保存と旨みを重視する土地の知恵の結晶です。また、ランス風マスタードや、シャンパンを使った煮込みなど、酸や香りを活かす調理法が発達しています。
シャンパーニュならではの存在として欠かせないのが、ショードロン(Chaudrée)に代表される白身魚のクリーム煮や、キノコを使った素朴な料理です。これらはバターやクリームを用いながらも重くなりすぎず、シャンパンの酸と泡が料理の余韻を軽やかに整えます。白身肉や仔牛、鶏肉を穏やかに火入れした料理も、日常の食卓で親しまれています。
また、シャンパーニュ地方はチーズ文化も豊かで、シャウルスのような白カビチーズが知られています。クリーミーでやさしい味わいは、シャンパンのきめ細かな泡とよく調和し、食前から食後まで楽しめる組み合わせを生み出します。
Dégustation avec Fromage - チーズとのペアリング
このシャンパンには、泡のきめ細かさとピノ由来のコクを受け止めつつ、重たくなりすぎないチーズがよく合います。ブラン・ド・ノワールならではの果実味と骨格、そしてブリオッシュを思わせる熟成香を生かすため、質感と塩味のバランスが鍵になります。
まず相性が良いのは、シャンパーニュ地方を代表するシャウルスです。とろりとした口溶けとミルクの甘みが泡をやさしく包み込み、ピノ由来の赤系果実のニュアンスやブリオッシュ香を自然に引き立てます。熟成が進みすぎていないものを選ぶと、シャンパンのフレッシュさと美しく調和します。
セミハードタイプでは、若めに熟成させたコンテやトム・ド・サヴォワがおすすめです。ナッツの香ばしさと穏やかな旨みが、シャンパンの骨格ときれいに重なり、泡が後味をすっと切ってくれます。食中で合わせても重たさを感じにくい組み合わせです。
また、熟成したパルミジャーノ・レッジャーノも意外な好相性を見せます。結晶化した旨みと塩味が、ドサージュ控えめの辛口スタイルと呼応し、果実味とミネラル感をより立体的に感じさせます。
全体として、強いウォッシュタイプや個性の際立つブルーよりも、ミルクの質感と熟成のニュアンスが穏やかなチーズがこのシャンパンには似合います。アペリティフから食事の途中まで、シャンパンとチーズを行き来しながら楽しめる、品のあるペアリングです。


