Le vigneron - 「ネロマエストリ」の生産者情報
「ネロマエストリ」を手がけるのは、イタリア・エミリア=ロマーニャ州モンテッキオ・エミリアに拠点を置くクアルティチェッロ農園です。アペニン山脈の麓、ヴァル・デンツァの川沿いに広がる土地で、2001年に当主ロベルト・マエストリが24歳のときに設立しました。
砂質と粘土質が混ざり、砂利を多く含む土壌は、葡萄に芯のある酸を与え、ワインに独自の緊張感をもたらします。栽培はオーガニック認証を取得し、ビオディナミの考え方も取り入れながら、銅と硫黄のみを用いた自然に配慮した方法で行われています。
誠実な畑仕事によって育った健全な葡萄は、野生酵母のみで発酵され、SO₂の使用も最小限に抑えられています。こうして生まれるワインは、土地と品種の個性が素直に表れた、ソフトでやさしい味わいが特徴です。
祖父もワイン造りをしていたロベルトは、その記憶を胸に、現在は家族とともに畑に立ち、土地と向き合いながらワイン造りを続けています。
Description - 「ネロマエストリ」の味わい、ブドウについて
「ネロマエストリ」は、伝統的なメトド・アンセストラーレで造られるスパークリングの赤ワインです。2024年ヴィンテージは、このワインの持ち味である素朴さと奥行きを、よりはっきりと感じさせてくれます。使用されているブドウは、ランブルスコ・マエストリとランブルスコ・グラスパロッサの2品種。それぞれの個性が重なり合い、力強さと複雑さを備えた味わいに仕上がっています。
醸造は温度管理を行わず、ステンレスタンクで自然発酵。7日間のスキンコンタクトを経て果実の旨みを引き出し、ボトリング時に少量のモスト(果汁)を加えることで瓶内二次発酵を行います。無清澄・ノンフィルターのまま瓶詰めされ、最終発酵後はそのまま6ヶ月間瓶内で熟成されています。
外観は黒みを帯びた濃い赤色。グラスに注ぐと、プラムやブラックベリーなどの濃密な果実香に加え、ほんのりとした鰹だしのような旨みのニュアンス、皮や燻製を思わせる香りが立ち上がります。素朴でありながら、奥行きのある複雑な印象です。
口に含むと、残糖感のないドライな味わいが広がり、濃い果実味とともに、グリップの効いたタンニンがしっかりと感じられます。だし感の強い旨みが全体を支え、滋味深さと軽快さを併せ持った飲み心地です。食中に自然と寄り添い、料理とともにその魅力を発揮します。
ワイン名の「ネロマエストリ」は、造り手の祖父ネリーノ・マエストリの名に由来するもの。昔ながらのランブルスコの風格と、家族の記憶が重なった、個性際立つ一本です。
Région - 「ネロマエストリ」の生産地について
エミリア=ロマーニャ州ヴァル・デンツァの食文化は、日々の暮らしと密接につながった、滋味深く実直な味わいを軸にしています。アペニン山脈の麓に位置し、川と丘陵に囲まれたこの地域では、豊かな農産物と保存食の知恵が自然に発展してきました。
この土地の料理は、小麦と卵を使った手打ちパスタを中心に成り立っています。トルテッリーニやトルテッロ、タリアテッレといったパスタは、肉やチーズ、野菜を詰めたり和えたりしながら、家族の手で受け継がれてきました。具材には豚肉や牛肉、パルミジャーノ・レッジャーノが使われ、コクがありながらも、どこか素朴な味わいに仕上げられます。
また、豚肉文化が根づいているのもこの地域の特徴です。プロシュートやサラミなどのシャルキュトリーは、塩と時間を味方につけた保存の知恵の結晶で、食卓に欠かせない存在です。これらの旨みを引き立てるため、料理は決して過剰に味付けされることはなく、素材の力が前に出ます。
ヴァル・デンツァでは、ランブルスコのような発泡性の赤ワインが、食事とともに自然に楽しまれてきました。脂や旨みのある料理を軽やかに流し、次の一口へとつなぐ役割を担う存在です。だしのような旨みを感じさせる料理と、ワインのドライな果実味が重なり合うことで、食卓全体に心地よいリズムが生まれます。
Dégustation avec Fromage - チーズとのペアリング
このワインには、旨みと塩味をしっかり持ちながら、過度に重くならないチーズがよく合います。発泡感のあるドライな赤で、だしのような旨みやグリップのあるタンニンを備えているため、ミルクの甘みと熟成由来のコクがありつつ、輪郭のはっきりしたタイプが相性の軸になります。
まずおすすめしたいのは、エミリア=ロマーニャを代表するパルミジャーノ・レッジャーノです。結晶化した旨みと塩味が、ワインのドライな果実味とだし感に自然に重なり、発泡によって後味が軽やかに切れます。削るよりも、欠けさせるようにして食べると、より土地らしい楽しみ方になります。
また、若すぎないセミハードタイプの牛乳チーズもよく合います。ほどよく熟成したトム系やモンタジオなどは、ナッツ香とミルクのコクがワインの燻製香や土っぽさと呼応し、味わいに奥行きを与えてくれます。タンニンとのバランスも取りやすく、食中で合わせやすい組み合わせです。
白カビタイプであれば、熟成が進みすぎていないカマンベールやブリーも好相性です。クリーミーな質感がワインのグリップをやわらげ、果実味を丸くまとめてくれます。発泡によるキレがあるため、重たくなりすぎることはありません。
エルワンおすすめのチーズペアリング
ネロマエストリ
黒系果実、出汁感、燻製香が複雑に重なる辛口の赤泡。
果実の厚みとドライなフィニッシュ、そして瓶内熟成由来の奥行き。
冬の濃厚なチーズを包み込み、イタリアらしい豊かなペアリングを演出します。
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とろける旨味 × ドライな赤泡 × 胡椒のアクセント。
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果実と旨味がタレッジョのミルク感に深く寄り添い、 |
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