Buchette Fleur
ビュシェット・フルール
Présentation- 「ビュシェット・フルール」について
「ビュシェット・フルール（Buchette Fleur）」は、フランスのロワール地方原産のフレッシュタイプ山羊チーズです。このチーズは、なめらかでクリーミーな食感が特徴で、エディブルフラワーやハーブを纏った、華やかな見た目をしています。外皮には、バラの花びら、ヤグルマギク、マリーゴールドなどの食用の乾燥花が贅沢に施されており、色とりどりの花びらがこのチーズを彩ります。爽やかでハーブの香りと草のようなニュアンス、さらにシトラスのような酸味がバランス良く組み合わさっており、フレッシュチーズの新しい魅力を引き出しています。乳種はパスチャライズ（低温殺菌）された山羊乳を使用し、乾燥物中脂肪分（FDM）は45％です。
Histoire- 「ビュシェット・フルール」の歴史
ビュシェット・フルールを生産しているジャッカン社は1947年、フランス・ロワール地方で卵とバターの販売業として創業され、1955年からチーズ製造を開始しました。「セル シュール シェール」や「ヴァランセ」などのシェーブルチーズで知られ、次第に業界内で名声を高めました。
2代目のパスカルの代には、農家からの集乳だけでなく、伝統製法のチーズを買い取り自社で熟成・販売する体制を築きます。1999年には近代的な工場を設立し、殺菌・無殺菌乳で異なる製造ラインを展開。現在は3代目ロマンがその情熱を継承し、伝統と革新の融合によるチーズづくりに取り組んでいます。
Région-「ビュシェット・フルール」の生産地域
フランスのロワール地方は、「フランスの庭」とも称される豊かな自然と歴史的建築に彩られた地域であり、その恵まれた風土は食文化にも色濃く反映されています。ロワール川流域は肥沃な土地と温暖な気候に支えられ、野菜や果物、穀物、ワイン用ブドウの栽培が盛んで、地元の食材を生かした料理が数多く生まれています。
この地方の代表的な食材といえば、まず山羊乳を使ったチーズが挙げられます。特に「セル・シュール・シェール」や「ヴァランセ」など、AOP（原産地名称保護）に認定されたシェーヴルチーズは、食卓や前菜の定番として親しまれています。ヤギの飼育も盛んで、チーズは単なる食品というより、土地と文化の象徴とされています。
また、ロワール地方はフランス随一の白ワインの産地としても知られ、「サンセール」や「プイィ・フュメ」など、フレッシュで芳醇なワインが生まれます。これらのワインは、魚料理やシェーヴルチーズとの相性が抜群で、地元の人々の食生活に欠かせません。
さらに、ロワール川では淡水魚が豊富に獲れ、ナマズやウナギ、サーモンを使った料理も伝統的なレパートリーの一つです。肉料理では、ジビエや鴨なども重要な役割を果たし、季節ごとの味覚が楽しめます。
Accord Vin et Fromage - 合わせるのにオススメなワイン
ビュシェット・フルールとのペアリングに最適なのは、サンセールやソーヴィニヨン・ブランなどの辛口白ワインです。フレッシュチーズのクリーミーさと、辛口白ワインの酸味やフルーティーさが絶妙に調和し、お互いの味わいを引き立て合います。
同じくロワール地方のプイィ・フュメも魅力的な選択肢です。こちらはサンセールに比べてややスモーキーなニュアンスがあり、花の香りに深みを加えるペアリングになります。もう少し華やかさを強調したいときには、アルザス地方のゲヴュルツトラミネールが好相性です。このワインはライチやバラのような芳醇な香りを持ち、チーズのフローラルな一面をより豊かに演出してくれます。
また、暖かい季節にはプロヴァンスのロゼワインもよく合います。淡くフルーティーで軽やかなロゼは、チーズのやさしい酸味と花の香りを引き立て、テラスでの軽食やピクニックにもぴったりです。いずれのワインも、ビュシェット・フルールの魅力を最大限に引き出すために、香りの調和と味わいの軽やかさが鍵となります。