Présentation- 「ミモレット・エクストラ・オールド」について
ミモレット・エクストラ・オールド(Mimolette Extra Vieille)は、ノルマンディー地方で造られる硬質チーズで、鮮やかなオレンジ色と深い熟成香が特徴です。13〜24ヶ月以上じっくりと熟成させることで、ナッツのような香ばしさと濃厚な旨味が生まれ、噛むほどに余韻が広がります。
「西洋のからすみ」とも呼ばれ、吟醸酒との相性も良く、すりおろして料理の仕上げに使うのもおすすめです。17世紀にオランダのエダムを模して誕生した歴史を持ち、今では世界で愛されるフランス熟成チーズの代表格です。
Histoire- 「ミモレット・エクストラ・オールド」の歴史
ミモレットの起源は17世紀にさかのぼります。当時フランスでは外国製品の輸入が制限されており、特に人気の高かったオランダのエダムチーズが入ってこなくなりました。そこで国内のチーズ職人たちは、エダムに倣いながらも独自の工夫を加え、新しいチーズを生み出しました。それが「ミモレット」の始まりです。
名前の由来はフランス語の「mi-mollet(半分柔らかい)」で、熟成度合いによって食感や風味が変化します。長期熟成タイプである「エクストラ・オールド」は、最低13ヶ月から24ヶ月以上の時間をかけて熟成され、硬質で奥深い味わいへと進化します。
その鮮やかなオレンジ色はアナトーという天然の色素によるもので、フランスの食文化を象徴する存在として親しまれてきました。今日では「西洋のからすみ」と称されるほど濃厚な旨味を持ち、フランス国内はもちろん、世界中で愛される熟成チーズへと発展しています。
Région-「ミモレット・エクストラ・オールド」の生産地域
ノルマンディー地方の食文化は、豊かな自然環境と酪農を基盤に発展してきました。大西洋に面し、肥沃な牧草地が広がるこの地域では、乳製品の生産が盛んで、カマンベール、ポン・レヴェック、リヴァロといった世界的に有名なチーズが数多く生まれました。特にバターや生クリームの質の高さには定評があり、料理にもふんだんに使われています。
また、リンゴの産地としても知られており、シードル(リンゴ酒)やカルヴァドス(リンゴの蒸留酒)はノルマンディーを代表する特産品です。リンゴの酸味と甘みを活かしたタルト・タタンやリンゴのコンポートなど、デザート文化にもその存在は欠かせません。
海沿いの地域では牡蠣やムール貝、ホタテなどの魚介類が豊富に獲れ、クリームやバターと合わせた料理が多く見られます。肉料理ではリンゴやシードルを用いた煮込みが好まれ、土地の恵みを生かした素朴ながら滋味深い味わいが特徴です。
Accord Vin et Fromage - 合わせるのにオススメなワイン
ミモレット・エクストラ・オールドは、その濃厚で複雑な旨味ゆえに、食材や飲み物と合わせることで一層魅力を引き出すことができます。ナッツのような香ばしさと長い余韻を持つため、赤ワインとの相性は抜群で、特にボルドーやブルゴーニュの力強いワインと合わせると、双方の風味が調和して深みのある味わいを楽しめます。また「西洋のからすみ」とも呼ばれる独特の風味は、吟醸酒などの日本酒ともよく合い、和食との意外な組み合わせも新鮮な驚きを与えてくれます。
料理に使う場合は、パスタやリゾットの仕上げにすりおろして加えると旨味がぐっと増し、和風の大根サラダや野菜料理に散らせば、軽やかな食材にコクを添えるアクセントになります。砕いたかたまりをそのまま味わうのも贅沢ですが、ワインや日本酒とともに味わうことで、ミモレット・エクストラ・オールドをより一層楽しむことができます。
