Le Vigneron ‐ 「フルール・ド・リュヌ」の生産者情報
「Fleur de Lune(フルール・ド・リュヌ)」を生産するDomaine des Garriguettes(ドメーヌ・デ・ガリゲット)は、南ローヌ地方、アヴィニョンの東にあるシャトーヌフ=ド=ガダーニュ村に拠点を置く家族経営のワイナリーです。現当主セバスチャン・クレマンは、祖父ジャン=ルイのもとでブドウ栽培と醸造を学び、さらにローヌ北部、ポルトガル、オーストラリアといった多様な土地で研鑽を重ねました。ドメーヌを継承後はすぐにオーガニック栽培とビオディナミ農法に転換し、現在ではオーガニックとデメター(ビオディナミ)の両認証を取得しています。丘の中腹に広がる畑は、小石が混じる石灰質土壌と地中海性気候に恵まれ、さらに乾いたミストラルの風が吹くことで病害が少なく、健全で凝縮感あるブドウが実ります。
Description ‐ 「フルール・ド・リュヌ」の味わい、ブドウについて
「Fleur de Lune(フルール・ド・リュヌ)」は、セバスチャン・クレマンが太陰暦のリズムを大切にしながら仕立てた特別なキュヴェです。すべてのブドウは手摘みで収穫され、自然酵母による発酵を経て、清澄や濾過を行わずに仕上げられます。
グラスから立ちのぼる香りは繊細で、白い花の可憐なアロマに、熟した柑橘類やパイナップルなどエキゾチックな果実味が重なります。口に含むと赤い果実やハーブ、スパイスのニュアンスが重層的に広がり、ふくよかな果実味と清涼感ある酸が調和。余韻にはミネラルとほのかな苦みが残り、自然な造りならではの透明感を感じさせます。
Région ‐ 「フルール・ド・リュヌ」の生産地について
南ローヌ地方は、地中海の豊かな恵みと内陸の素朴な伝統が溶け合った、多彩で力強い食文化に満ちています。オリーブオイル、ハーブ・ド・プロヴァンス、にんにくといった香り高い素材が日常の料理に欠かせず、太陽をいっぱいに浴びたトマトやズッキーニ、なすといった夏野菜を使った煮込みやグリル料理は、この地域らしさを色濃く映しています。特に「ラタトゥイユ」は南ローヌを代表する一皿で、野菜それぞれの甘みと旨みが調和し、ワインと共に家庭の食卓を彩ります。
また、ローヌ川や地中海から届く魚介類も豊富で、ブイヤベースや鯛のグリルなど、素朴ながらも素材の新鮮さを生かした料理が広く愛されています。一方で内陸部では、羊や山羊といった放牧の肉やシャルキュトリーも重要で、香ばしく焼き上げたラム肉にローズマリーを添えた料理は、南仏の食卓に欠かせません。
チーズもこの土地の食文化を語る上で外せない存在です。ピコドンやバノンといった山羊乳のチーズは、ローヌ渓谷の風土と結びついた名品で、ワインと共に供されることでその魅力を一層引き立てます。デザートにはオレンジやレモンを使った素朴な焼き菓子や、アーモンドを加えたヌガーやタルトが並び、陽光のように明るく甘やかな余韻を添えます。
Dégustation avec Fromage ‐ チーズとのペアリング
「フルール・ド・リュヌ」は、華やかな果実味とフレッシュな酸、そして奥行きのあるミネラル感を備えており、幅広いチーズと好相性を見せます。フレッシュなシェーヴルチーズとは、爽やかさと酸味が響き合い、軽やかな余韻を楽しめます。ブリーやカマンベールのような白カビタイプとは、クリーミーな質感と果実味が溶け合い、エレガントなマリアージュを描きます。さらに、熟成したコンテやグリュイエールのようなハードチーズでは、ナッツや旨みの層とワインの奥深さが共鳴し、より複雑で豊かな味わいを引き出します。
エルワンおすすめのチーズペアリング
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ラクレット コル・ド・フールシュ(Raclette Col de Fourche) とろけるミルキーな旨みに、ワインのまろやかさとミネラル感がマッチ。
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塩気とほのかな酸味を白のフルーティさが優しく引き立てる。 |


