Présentation- 「クール・バスク」について

「バスクの心」を意味する「クール・バスク（Coeur Basque）」 は、フランス南西部のバスク地方の豊かな歴史と文化を象徴するチーズです。クラシックなトムタイプのセミハードチーズで、イラティ渓谷を自由に歩き回り、新鮮な草やハーブを食べて育つ牛のミルクから作られます。1年以上の熟成によって結晶を感じる食感とバターのような香りとソフトで滑らかな舌触りが生まれます。

Histoire- 「クール・バスク」の歴史

クール・バスクは、フランス南西部・バスク地方の牧歌的な風土と、古くからの酪農文化の中で生まれた比較的新しいスタイルのチーズです。このチーズは伝統的な「トム・ド・バスク（Tomme de Brebis）」の牛乳版として発展し、バスクの豊かな自然や農村の知恵を現代に伝える存在となっています。

元来、バスク地方では羊乳を使ったチーズが主流で、特に「オッソー・イラティ（Ossau-Iraty）」のようなAOP認定チーズが有名です。しかし近年、牛乳を使ったチーズの需要が高まり、それに応える形で牛乳製のトム「クール・バスク」が生まれました。羊乳よりもマイルドでクリーミーな口当たりのため、幅広い層に親しまれやすく、特に若い世代や女性を中心に人気が高まっています。

Région-「クール・バスク」の生産地域

フランスのバスク地方の食文化は、その土地の風土、歴史、そしてスペインとの国境に位置する独自の文化が織りなす、非常に個性的で力強いものです。この地域では山と海、両方の恵みが豊かで、それぞれの食材が見事に調和した料理が多く見られます。

まず、山側のバスク地方では、羊や牛の放牧が盛んで、羊乳から作られる「オッソー・イラティ（Ossau-Iraty）」をはじめとするチーズ文化が根付いています。これに加え、農村部ではトウモロコシや豆を使った素朴な料理が多く、豚肉の加工品 ―― 特に「ジャンボン・ド・バイヨンヌ（バイヨンヌの生ハム）」はバスクを代表する特産品として知られています。このハムは山の風でゆっくりと乾燥され、繊細な塩味と深い旨味が特徴です。

一方、海に面した地域では、新鮮な魚介類が豊富に使われ、特にバスク風の煮込み料理「アショア（Axoa）」や、「ピペラード（Piperade）」といったピーマン、トマト、玉ねぎを炒めた色鮮やかな料理が名物です。これらにはバスク特産のエスプレット唐辛子が欠かせません。この唐辛子はスパイシーすぎず、料理に温かみと香りを加える重要な調味料として用いられています。

Accord Vin et Fromage - 合わせるのにオススメなワイン

クール・バスクを存分に楽しむためには、適切なワインのペアリングが欠かせません。フルーティーな赤ワイン、たとえばイロレギは、クール・バスクの花のような香りとトーストしたナッツのアロマを引き立てるのに最適です。

また、ドライな白ワインであるジュランソン・セックもおすすめです。その鮮やかな酸味が、クリーミーでコクのあるこのチーズの味を際立たせ、食事の途中で味覚をリセットするのに役立ちます。