Présentation - アボンダンスとは
「豊穣、豊富な」という意味を持つAbondance(アボンダンス)は、アルプス地方の山岳地帯に位置するこの名を持つ渓谷地域のみで作られています。このチーズは石臼の形をしていて、サイズが比較的小さいのは、アボンダンス種、タランテーズ種、モンベリアルド種というアボンダンス製造に許されている3種の牛群の規模が小さいためにミルクの生産量が減少傾向にあることが理由です。 アボンダンスのチーズは、60ほどの農場と、いくつかの小さなチーズ製造工房、「フルティエール」と呼ばれる複数の農場のミルクをまとめてチーズにする協同組合によって、ほぼ手作業で作られています。伝統的な製造工程は、銅製の大釜で行われています。
牛たちの主な餌は、夏は草、冬は干し草で、発酵させた自然ではない飼料は一切禁止されています。アボンダンス種の牛は、15世紀以上も前からこの地域に生息しており、厳しい気候、険しい地形、山の厳しい環境に適応しています。マホガニー色の外見と、「メガネ」と呼ばれる目の周りの茶色のブチが特徴的です。
Histoire - アボンダンスの歴史と背景
このチーズが登場したのは13世紀、アボンダンス修道院の修道士たちの後押しがあってのことでした。修道士たちは、チーズが山間部に孤立したアボンダンスの谷に富をもたらすだけでなく、物々交換用の通貨としても利用できると考えたのです。それからは、夏に生産された牛乳を税金で受け取り、それを元にチーズを製造しました。
アボンダンスが有名になった大きな転機は、1381年。アヴィニョンで行われた教皇クレメンス7世の教皇選挙、コンクラーベのテーブルに供されたことがきっかけで、高貴な地位を獲得したのです。その後、チーズは、サヴォワの人々の心に深く刻み込まれた珍味となり、この地方の貴族のテーブルでも見られるようになりました。
Accord mets et vins - アボンダンスのレシピと一緒に飲みたい美味しいワイン
ペーストの色はアイボリーから淡い黄色で、柔らかく溶けやすく、弾力性はありません。表面には細かいヒビが入ることもあります。
パイナップル、アプリコット、柑橘類、ヘーゼルナッツなどの豊かでバランスのとれたアロマを持つ、フルーティーな味わいです。
オート・サヴォワ地方と言えば、やはりフォンデュ!エメンタール、ボーフォール、アボンダンスの3種のチーズをミックスするのがおすすめ。ルーセット・ド・サヴォワやセイセルなど同じサヴォワ地方の白ワインを合わせれば、アルプス地方のテーブルの出来上がりです。
Recette - オススメレシピ