Bloop
ブルップ
Le vigneron - ブルップの生産者情報
ブルップの生産者であるドメーヌ・グラミエ（Domaine Gramiller）は、フランス南部・南ローヌ「ヴォクリューズ県ラストー村」を本拠とする家族経営のドメーヌです。ラストー村は歴史的に酒精強化の甘口ワインVDN（Vin Doux Naturel）で知られ、1944年にVDNで、2010年には辛口赤ワインでAOC認定を取得し、力強い個性をもつワイン産地として確立しました。ブルップの味わいにも、この村特有の凝縮感とテロワールの存在感がしっかりと息づいています。
またこのドメーヌは、環境との共存を生産の最優先事項として掲げ、10年以上にわたりオーガニック農法でぶどう栽培を実践しました。その期間は協同組合へぶどうを供給しながらも、自社畑での土づくりと生態系の回復に取り組み、2017年、ワインへの情熱とテロワール表現をより純度高くボトルに落とし込むべく、独立して家族の名前でワインづくりを始動。現在では約15ヘクタールの自社畑（15Ha）をすべてオーガニック管理で維持し、100%自社栽培のぶどうを使って醸造・瓶詰めしています。
Description - ブルップの味わい、ブドウについて
「ブルップ」は、99% クレレット、1% アリカンテ・ブーシェ から生まれる辛口ロゼスパークリングです。クレレットは白桃、赤スグリ、野いちごのような透き通る赤果実の香りに、ほのかな花のニュアンスを重ね、鋭くならない“穏やかな酸”が持ち味。1%のアリカンテ・ブーシェは、香りと色調にだけ効かせる筆の一撫でのようなアクセントで、赤果実の輪郭をきゅっと整えます。
香りは明るくフルーティ、口に含むと赤果実のジューシーさだけが細かな泡とすっと広がり、甘さを残さずドライなミネラルへ着地。タンニンはごく薄く、余韻をやわらかく支える程度です。果実・酸・泡のバランスが軽快で、気負わず飲める、明るい辛口ロゼ泡に仕上がっています。
Région - ブルップの生産地について
フランス南ローヌ地方の食文化は、地中海の陽光とプロヴァンスの風土が色濃く反映された、明るく香り豊かな料理が中心にあります。まず特徴的なのは、オリーブオイルとハーブの多用です。タイム、ローズマリー、セージ、バジルといったプロヴァンスハーブが日常的に使われ、シンプルな肉や魚の味わいを引き立てます。また、この地域では野菜が非常に重要な役割を果たしており、トマトやナス、ズッキーニ、パプリカを使った料理——例えばラタトゥイユのような煮込みは、南ローヌならではの家庭の味です。
肉料理では、ローヌ川流域で育つ子羊や山羊がよく食べられ、香草をまとわせてローストしたり、煮込んだりと素朴ながら滋味深い調理が好まれます。川魚や地中海性気候に育つ淡水魚も食卓に上がり、オリーブやレモンと合わせた爽やかな仕立ても一般的です。チーズの文化も豊かで、ローヌ渓谷に近い丘陵地では山羊乳のシェーヴルチーズが多く作られ、熟成の度合いによって爽やかさからコクのある味わいまで幅広く楽しめます。
南ローヌはまた、ワインとの結びつきが非常に強い地域です。コート・デュ・ローヌの赤やロゼは食卓に欠かせず、スパイス感のある赤ワインはラタトゥイユやグリル野菜、ハーブをまとった肉料理と好相性。ロゼは夏の昼食や軽めの料理と合わせて気軽に楽しまれます。デザートには桃やアプリコット、イチジクといった果物が季節ごとに登場し、タルトやコンポート、あるいはそのままワインと一緒に味わうことも多いです。
全体として南ローヌの食文化は、陽光をたっぷり浴びた野菜や果物、香り豊かなハーブ、素朴で存在感のある肉やチーズが織りなす“地中海的な軽やかさと田舎料理の温かさ”の同居が魅力です。料理とワインが自然な形で寄り添い、土地そのものの豊かさをシンプルに楽しむ——そんなゆったりとした食のスタイルが息づいています。
Dégustation avec Fromage - チーズとのペアリング
ブルップの軽やかな泡と、白桃・野いちご・赤スグリの澄んだ赤果実の香りには、味が濃密すぎず、香りの方向性が近いチーズが自然につながります。まずおすすめなのは、ミルクの優しい甘みとクリーミーさが主役の白カビチーズ、たとえばブリー（若めの熟成） 。白桃のアロマとふんわり橋をかけるようになじみ、スパークリングの辛口があと味を軽くリセットしてくれます。
また、穏やかな酸とハーブのニュアンスをもつ山羊乳のシェーヴル、クロタン（やさしいタイプ） も良い組み合わせです。赤スグリや野いちごの香りと明るいグラデーションを描き、ヤギ乳特有の酸が角を立てず、泡とベリーの余韻をみずみずしく伸ばしてくれます。
さらに、ウォッシュチーズの中でもミルキーさが前面で塩味が穏やかな、マンステール（若めの熟成） なら、香りが立っても味は丸く、ロゼ泡が口の中の切り替え役となり、交互に食べ飲みしたくなる心地よい循環を生みます。
ハードチーズで合わせるなら、重厚すぎないミルクと胡桃寄りのナッツ感が心地よい、コンテが適役です。長期熟成のキャラメルではなく、ミルクの旨みと軽いナッツ感に寄った味わいが、ブルップの赤果実の透明感と泡の軽さを邪魔せず寄り添います。
食べ進めるうちに香りが開くチーズに、ほんの一滴だけ アカシアはちみつ を垂らすと、白桃と赤ベリーのアロマがさらにやわらかく広がり、スパークリングのドライさがフィニッシュをキレ良くまとめてくれます。
エルワンおすすめのチーズペアリング
ブルップ
ストロベリーや白桃、グロゼイユの香りが弾ける自然派ロゼ。
きめ細かな泡と軽やかな酸が、チーズの濃厚さや塩味をすっきりとまとめ上げます。
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ブリー・クランベリー
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