ブリーチーズのすべて
ブリーチーズはフランスで有名なチーズの一つです。柔らかく、ブルーム状の表皮を持つ白カビチーズは、歴史があり多くのバリエーションがあります。
ブリーチーズの歴史
ブリーチーズが最初に作られた年代を特定することはできませんが、ローマ人がガリアに侵攻する前にすでに存在していたといわれています。
カール大帝からタレーランまで、そして今日でも、ブリーチーズはフランスを象徴するチーズの一つと考えられています。
また、一説ではブリーは7世紀に設立されたパリのセーヌ・エ・マルヌ県にあるジュアール修道院で生まれたといわれています。
カール大帝は、修道士に頼み年に数回送らせたそうで、このことがブリーチーズを有名にしました。ブリーチーズはカール大帝にとって最も美味しい料理の一つでした。
1180年から1223年までのフィリップ=アウグストの治世には、年末になると宮廷中の人々がブリーチーズを受け取りました。それに関する歌も作られたほどです。
13世紀には、ブリ―チーズは、年に一度の大きな見本市で大成功を収めました。現在もブリーチーズは、タレーランが言ったようにチーズの王様であり続けています。
その後16世紀頃には、ブリーチーズは少なくとも3つの種類(ブリー・ド・ナンジス、ブリー・ド・ムラン、ブリー・ド・モー)になりました。
20世紀初頭、セーヌ・エ・マルヌ県では、10万頭以上の牛を飼育し、年間数百万個のチーズを生産していました。
このため、さまざまな種類のブリーチーズが誕生しました。ブリーチーズには以下のような種類が存在しています。
ブリー・ド・モー PDO
ブリー・ド・ムラン PDO
ブリー・ド・モントロー
ブリー・ド・ナンジス
ブリー・ド・プロヴァン
ブリーノワール
クロミエ
その他、同じ製法で作られたブリーチーズや、地域が違いますが上記のブリーの製法にインスパイアされたブリーチーズなどたくさんのバリエーションがあります。
多くのバリエーションのあるブリーチーズですが、これらの共通点は何でしょうか?
答えは2つあります。技術的制約が一つ(ブルーム状の外皮を持つ、直径が大きいソフトチーズであること)と、地理的制約が一つ(原産地がブリー地方周辺に位置すること)です。
ブリ―チーズの種類
Brie de Meaux PDO
ブリ―・ド・モー
ブリー・ド・モーは、フランスで最も古いチーズの一つで、長い間、世界中の王侯貴族の食卓に上っていました。
このチーズは、バターやナッツのような香りが特徴です。この香りは、熟成の過程でますます発展していきます。偉大なブリーチーズの中でも最も歴史のあるチーズであり、熟成度によって様々な表情を見せます。
Brie de Melun PDO
ブリ―・ド・ムラン
ブリー・ド・ムランは、ブリー・ド・モーとは風味が異なります。
ブリー・ド・モーと比べると、より強く、よりフルーティーな味わいが特徴です。また、色にも違いがあり、ブリー・ド・ムランは、白いブリー・ド・モーとは異なり、赤い果皮で見分けられます。
Brie de Montereau
ブリー・ド・モントロー
ブリー・ド・モーの人気とは程遠い!?ブリー・ド・モントローは、おそらく最も知られていないブリーチーズの1つです。セーヌ・エ・マルヌ県のモントローという町で作られた、ブルーム状の表皮を持つソフトチーズです。他のブリーチーズと同じ円盤状ですが、かなり小ぶりです。
Brie de Nangis
ブリ―・ド・ナンジス
ブリー・ド・ナンジスは、重さ約1kg、直径約22cmの円盤状のチーズです。約1ヶ月間熟成させ、ブリー・ド・ナンジスの特徴である赤から茶色の表皮になります。主にセーヌ・エ・マルヌ地方で生産されています。
Brie de Provins
ブリ―・ド・プロヴァン
ブリ―・ド・ムランと同じ大きさで、柔らかくフルーティーなブリ―・ド・プロヴァン。世界遺産の町プロヴァンを思わせる下草のアロマが特徴的です。ブリーチーズの中でも最も柔らかく、果実味豊かなチーズです。
Brie Noir
ブリ―ノワール
イル・ド・フランス地方のナントゥイユ・レ・モーで生まれたチーズ。別名ブリー・ノワール・ド・ナントゥイユ、ヴュー・ブリーとも言われています。
ノワール(黒)という名の通り、色の濃いチーズです。その褐色は、完全に水切りする前の熟成工程によるものです。長い期間(8ヶ月から18ヶ月)かけて熟成させることで、ドライで砕けやすい食感と、非常に力強いアロマが得られます。
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