Le vigneron - 「カーヴ・サン・ヴェルニ」の生産者情報

カーヴ・サン・ヴェルニ（Cave Saint Verny）は、銘水の郷として知られるフランス・オーヴェルニュ地方に根ざしたワイン生産者です。もともとは生産者協同組合と販売会社の合併から生まれた家族経営のワイナリーであり、現在は62の契約農家と共に約180ヘクタールの畑を所有しています。これはオーヴェルニュ地方のぶどう畑全体の半分近くにあたり、この地で最大規模を誇る生産者です。

年間生産量は約100万本。収量を45hl/haに抑え、テロワールの個性を最大限に引き出すことを重視しています。生み出されるワインは「コート・ドーヴェルニュAOC」と「IGPピュイ・ド・ドーム」に属し、そのうちコート・ドーヴェルニュのワイン生産量の55％を担っています。

Description - 「カーヴ・サン・ヴェルニ」の味わい、ブドウについて

カーヴ・サン・ヴェルニのピノ・ノワールは、オーヴェルニュ地方の火山性土壌で育ったブドウから造られています。色合いはルビーレッドから淡い紫を帯び、香りはラズベリーやチェリー、ストロベリーといった赤い果実を中心に、スミレなどの花のニュアンス、さらにブラックベリーやスパイス、ほのかなチョコレートを思わせる要素が重なります。

味わいはミディアムからフルボディで、果実味と酸味のバランスがよく、タンニンはきめ細やかで丸みがあります。樽熟成は行わず、果実そのもののフレッシュさとピュアな風味を活かしたスタイルです。火山性土壌由来のミネラル感とスパイシーさが特徴で、飲みごたえがありながらもエレガントさを兼ね備えています。

アルコール度数は14％で、肉料理や濃厚なブルーチーズなど、しっかりとした味わいの料理との相性が良いワインです。

Région - 「カーヴ・サン・ヴェルニ」の生産地について

オーヴェルニュ地方の食文化は、フランスの中でも素朴で力強い山岳の暮らしを反映したものとして知られています。火山性の大地と冷涼な気候に育まれた食材を生かし、保存性や滋養に優れた料理が多いのが特徴です。代表的なのはチーズで、サン・ネクテールやカンタル、ブルー・ドーヴェルニュといったAOP認定のチーズは、この地方を語るうえで欠かせません。豊かな牧草地で育つ牛や羊の乳が、濃厚で個性ある風味を育んできました。

料理としては、じゃがいもを使った郷土料理がよく知られています。中でも「アリゴ（Aligot）」は、じゃがいもと新鮮なチーズを合わせてのびるように練り上げた名物で、祭りや家庭の食卓に欠かせない存在です。また、じゃがいもを使った「トリュファード（Truffade）」も定番で、シンプルながら力強い味わいを持ちます。加えて、レンズ豆の名産地でもあり、「プイ産レンズ豆（Lentilles du Puy）」は世界的に高い評価を受けており、肉料理やソーセージと組み合わせて親しまれています。

肉料理では、地鶏や豚肉を使った煮込み料理が多く、山間部らしく保存食の文化も根強く残っています。サラミやハムなどのシャルキュトリも豊富で、赤ワインと共に楽しむ伝統があります。デザートには、栗やりんご、黒すぐりといった山の恵みを使った素朴な菓子が多く、日常に寄り添う甘味として受け継がれています。

Dégustation avec Fromage - チーズとのペアリング

カーヴ・サン・ヴェルニのピノ・ノワールは、果実の華やかさと火山性土壌由来のミネラル感、そしてほどよいスパイスのニュアンスを備えたワインです。そのため、フレッシュさとコクのバランスをもつチーズと特に好相性です。例えば、サン・ネクテールのようなオーヴェルニュ地方を代表するセミハードタイプのチーズは、クリーミーさとほんのりナッティな風味が赤い果実の香りと重なり、ワインの持つ柔らかな酸と調和します。また、ブルー・ドーヴェルニュのような青カビチーズを合わせると、力強い塩味とクリーミーなコクがピノ・ノワールのスパイシーさを引き立て、ワインのボディ感が一層際立ちます。さらに、ブルゴーニュ地方のピノ・ノワールと同様に、ブリーやカマンベールといった白カビチーズとの組み合わせもおすすめで、柔らかい食感と穏やかな乳の甘みが果実味豊かなスタイルを包み込むように引き立てます。

エルワンおすすめのチーズペアリング

ピノ・ノワール
軽やかで旨味系チーズと相性抜群。火山土壌のミネラルが奥行きを与える。

	クイックス・ヴィンテージ・チェダー 熟成由来の塩味やアミノ酸を、ピノの酸味と果実がやさしくまとめ上げる絶妙なペアリング。
	トム・グリーズ 同じオーヴェルニュ地方の自然な調和。素朴なミルクの風味をピノの酸が美しく引き立てます。
	ジョーネット・ジュラシック チーズの力強さに寄り添う果実味。ミネラルが後味を引き締め、深い余韻を残します。